これから開業を考えている方は、「いい物件が見つかり次第、すぐに融資を受けたい」という方も多いと思います。 テナント契約の初期費用や内装費用はとても高いため、理想の物件を見つけても多くの場合、 融資を受けなければ支払いができないと思います。

自己資金だけで開業できるのが理想的ですが、融資を受ける場合は、面接を受けるために事業計画書やその他様々な書類を揃えなければならず、物件が決まったとしてもすぐには契約できません。

また、面接までに多くの時間がかかってしまった場合、別の人が契約をしてしまい、目当ての物件が借りられなくなる恐れもあります。

 

今回は、物件を決めるのはどのようなタイミングが良いのか。 また開業までのスケジュールはどのように組めばいいのかを解説して行きます。

 

1. 物件選定はオープン日の3ヶ月前までに行う

開業までのスケジュールではじめに決めることは、オープン日をいつにするかです。

当然、計画通りに上手くは行かないだろうという気持ちもあるとは思います。 ですが、オープン日を仮定することで、そこから逆算し、○○日までに○○までやるという、先の目標を立てやすくなります。

 

次に行うのは、物件の申し込みです。 良いと思った物件を見つけたら、内見をし、内装費の見積もりを出してもらい、損益計算を行います。 これらはオープン日の3ヶ月前までに行いましょう。

 

物件選定を行ったら、家主に申込みを行います。 この物件を契約するという意思表示をして、仮押さえしておきましょう。(申込みのキャンセル料などがかからないことを確認しておきましょう。)

ここまで終わったら、次は融資の準備をして行きます。 また、面接から融資を受けられるまでは、約1ヶ月かかります。 物件の契約がされれば、次は内装工事がスタートします。 完成までに3週間〜4週間程度かかります。

保健所の立ち合いも必要になるので、完成してもすぐには営業できないのです。 上記の工程を見ると、物件選定から開業まで最短でも3ヶ月はかかってきます。

 

2. 物件選定は事業計画書作成と同時進行させる

事業計画書作成は開業までの第一歩です。

コンセプトとターゲット、損益計算を明確にして、それの情報を元に物件を探していきます。

しかし、理想の物件が見つかるのがいつになるかはわかりません。物件が見つかり次第、すぐに融資面接を受けられるように、事業計画書は解る範囲でできるだけ詳細に作成を進めてをそれなりに完成させておきましょう。

物件選定後、素早く進めていくために、初期の段階から事業計画書の作成を行なっておきましょう。 早ければ早いほど、スムーズに計画を進めることができるのです。

3. 物件選定後の動きはスピードが命

物件が決まると、いろいろなことが一気に動きだします。 開業費用が明確になり、希望する融資金額が決まると、書類を揃えて融資面接を受けます。

また、ここからデザイナーとの店舗設計の打ち合わせが本格化していきます。。 さらに、住所が決まるので、販促物や備品、電話やネット回線などの手配も必要になってきます。 ホームページやショップカードなどの作成、予約サイトや求人情報の掲載はどこに依頼するかなど、店舗営業に必要となる各種手配・手続きをリストアップし、 各業者との打ち合わせも含め、スケジュールを組んで行きましょう。

 

また、希望する物件が見つかり次第、すぐに現地調査を依頼出来るよう、内装業者と打ち合わせをしておきましょう。 現地調査に時間を取られると、見積書や平面図の提出が遅れ、結果的に融資も遅れてしまいます。 ですので、物件を選定するまでに、事前に依頼する業者を決めておきましょう。

 

家主もできるだけ早く家賃収入が欲しいので、もし他にも応募者がいて、すぐにでも契約できる人だとしたら、もちろんその人と契約したいと思いますよね。 実際に、融資が決まる前に別の人が物件を契約してしまったという話もよくあります。

そういった事態を防ぐ為にも、物件が決定した後もその後の物件の契約をスムーズに進められるよう、できるだけ早く資金を調達する等、スピード感を持って行動していきましょう。 

 

 

まとめ

物件選定をした後から、開業に向けていろいろなことが一気に動き始めます。

契約までの流れをスムーズに行うためには、「オープン日からの逆算」、「事業計画書」や「各業者の手配」が重要です。

 

しかし、焦ってしまっては、良い計画は立てることができません。

「事業計画書は入念に、物件選定はスピーディーに」行うことが、計画を上手く進める ためのポイントになります。