事業計画書はなぜ必要?その理由と書き方のポイントを解説!
事業計画とは、自分の理想とする美容室を作って行くために、具体的に実行する計画のことです。
自分の美容室が目指しているものは何かを明確にし、金融機関の融資担当者や一緒に働くスタッフ、内装業者の方などの多くの人々に、自分の目指す美容室を理解していただく必要があります。
これができれば、融資を受けることができ、内装工事が始まり、一緒に働くスタッフも集まります。
ですので、事業計画書を作ることは、美容室開業への第一歩となるのです。
今回は、事業計画書が必要な理由と、その書き方について解説していきます。
目次
1.事業計画書(創業計画書)の必要性とは?
美容室を開業するには多くの場合、融資が必要となります。
融資を受ける際に最も多く利用される、日本政策金融公庫から融資を受ける際には、事業計画書の提出が必要となります。
自分の考えを実現させるために必要なことを、数字と言葉で具体的に表すことで、美容室を経営して行く基準となります。
じっくりと考え、何度もシミュレーションしながら計画を立てましょう。
また、基本的に事業計画書と創業計画書は同じものと考えていただいて良いでしょう。
事業計画書(創業計画書)は、日本政策金融公庫のホームページからダウンロードできますので、印刷してご利用ください。
2.事業計画書の書き方
日本政策金融公庫から融資を受ける場合、特に重要視される項目は、
1)創業の動機
2)経営者の略歴等
7)必要な資金と調達方法
8)事業の見通し
です。
この4つの項目は、経営者の信用や返済能力などを測るポイントとなるため、融資担当者が特に重要視しています。
とは言うものの、事業計画書の書き方がわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、日本政策金融公庫の創業計画書を見ながら、8つの項目を解説していきます。
1)創業の動機
これから美容室を開業する目的や動機を書いていきます。
この項目でアピールする内容は、美容師としての経験や実績、利益を出す見込みがどれくらいあるかということです。
融資担当者は、開業する分野での経験を重要視します。
経験と実績のある人のほうが成功する確率が圧倒的に高いと判断されるのは明らかです。
経験の有無は、2)経営者の略歴等の項目に記入することもできますが、こちらの項目でもできるだけアピールしておきましょう。
そして最大のポイントは、いかに利益を出せるかということです。
利益を出す方法が具体的に記入されていれば、融資担当者へ効果的にアピールすることができます。
2)経営者の略歴等
経営者の略歴等では、以下の4つの項目に分かれます。
・略歴
略歴とは、開業するオーナー様の職務経験を記載する部分です。
いわゆる、職務経歴書になります。
あなたの美容師としての経験や、どのような実績をあげてきたのかということを最大限アピールしましょう。
お客様からどれだけ指名をいただいているかということや、大会などでの受賞経験がある場合も、細かく記載しましょう。
また、マネジメント能力があることは、融資担当者に対して好印象です。
店長としての職務経験がある場合は、そのこともしっかり記入しておきましょう。
・過去の事業経験
創業や開業の経験があるかどうかです。
初めての場合は、「事業を経営していたことはない」にレ点チェックをしましょう。
・取得資格
美容室の開業に必要な資格は2つあります。
美容師免許と、管理美容師資格です。
早めに管理美容師資格を取得しておきましょう。
・知的財産権等
特許権や商標権などを保有している、または申請中のものがあれば記入しましょう。
3)取扱商品・サービス
取扱商品・サービスでは、次の4つの項目に分かれます。
・取扱商品・サービスの内容
カットやカラー、トリートメントなど、美容室で提供するサービスや、料金などの詳細を書きましょう。
・セールスポイント
これから開業する美容室の強みや特徴、セールスポイントを書きましょう。
自分の美容室ならではのセールスポイントがあれば、他の美容室との差別化ができ、それがお客様の来店を見込める根拠となり、融資を受ける上で有利になるでしょう。
融資担当者にわかりやすいように、他の美容室との違いやサービスの特徴などを具体的に書き、あなたの店のオリジナリティを表しましょう。
・販売ターゲット・販売戦略
ここに記入する内容は基本的なことだけで大丈夫ですが、融資面談の際にはこの辺りが重点的にヒアリングされますので、理解しておきましょう。
既存のお客様の数や新規のお客様の獲得方法、どの年齢層のお客様のご来店が見込めるのか、どのように利益をあげていくのかという戦略を書きます。
商品の内容、価格帯、立地、周知方法などを考えて、お客さまを獲得できる要因を記載しましょう。
・競合・市場など企業を取り巻く状況
美容業界のトレンドや競合の把握、お客様を獲得していける根拠など、あなたの美容室が成長できる理由を書きましょう。
4)取引先・取引関係等
取引先・取引関係等では、以下の3つの項目に分かれます。
・販売先
基本的に、一般個人と記入します。
シェアは100%、回収・支払の条件には即金と記入します。
・仕入先
シャンプーやカラー剤、パーマ液など、消耗品の仕入れ先を記入します。
融資の申し込みの際に仕入れ先が未記入だった場合、不信感を持たれる可能性がありますので、取引予定の仕入れ先でも、必ず記入しましょう。
・外注先・人件費の支払い
外注先は空欄でOKです。
人件費の支払いは予定の期日を記入しましょう。
この部分は基本的に審査には影響しません。
5)従業員
雇用する従業員がすでに決まっている場合、その人数を記入します。
もし雇用する予定がないという場合は空欄で大丈夫です。
6)お借入の状況
個人で融資やローンを受けている場合に記入します。
銀行からの融資やキャッシング、カードローン、住宅ローンや自動車ローンの利用も記入しましょう。
借入金があるかどうかは、審査の段階でわかることなので、正直に記入しましょう。
また、借入金の支払いが遅れたり、滞納していたりすると、評価に響く可能性があるので、融資の申し込み前に整理しておきましょう。
7)必要な資金と調達方法
資金調達は主に、設備資金と運転資金があり、それぞれに必要な金額を書いていきます。
・設備資金
内装工事費、シャンプー台やセット椅子、備品の購入費、人件費などです。
必要な資金はより詳細な金額を記入しましょう。
そのためには、内装工事や設備などの見積書、物件の契約書、什器の見積書などを取得、添付する必要があります。
・運転資金
消耗品の購入費や広告宣伝費などになります
同じく、金額のわかる資料を添付しましょう。
・調達方法
自己資金があることをアピールするためには、通帳のコピーを添付すると良いでしょう。
自己資金はあなたの熱意を伝える重要なポイントです。
日頃からコツコツと貯金をした通帳を見せられるようにしておきましょう。
また、調達の方法の合計金額と、設備資金・運転資金の合計金額は一致させる必要がありますので、しっかりと確認しましょう。
8)事業の見通し(月平均)
ここでは、これまでの項目に沿って計算して行きましょう。
売上はサービスの価格×見込み客数から、原価や経費は、取扱商品、従業員数、内装工事、物件契約書、広告掲載プランなどの見積書から算出できます。
逆に、根拠のない数字を記入すると審査に悪影響を与えてしまいます。
見込みの売上高や売上原価を考える場合は、できるだけ詳細に計算していくことが欠かせません。
まとめ
融資を受けるためには、必ず事業計画書(創業計画書)を用意しなければなりません。
事業計画書で特に重要視される項目は以下の4つです。
1)創業の動機
2)経営者の略歴等
7)必要な資金と調達方法
8)事業の見通し
また、実現が難しいと思われることや、整合性がないような内容を書いてしまうと、説得力が低くなってしまい、審査に悪影響が出てしまいます。
事業計画書では、熱意だけでなく、融資担当者が納得して融資できる人物だという根拠を伝えることが大切です。