融資確定までスムーズに進める!必要書類と手順のまとめ

融資の確定までスムーズに進めるためには、審査に必要な書類と手順を把握し、しっかりと準備しておく必要があります。

 

融資面接の際に、熱意は十分伝わっているのに、書類が足りないことで審査に移れず、融資確定まで予想以上に時間がかかってしまうという可能性があります。

 

多くの場合、融資が確定しないと、物件の契約ができず、内装工事も始めることができません。

結果として、予定していたオープン日に間に合わなくなるかもしれないのです。

 

このような事態を招かないために、今回は融資に必要な書類と手順についてご説明いたします。

 

1.日本政策金融公庫から融資を受けるには?

まず、日本政策金融公庫で融資を受けるメリットとして、

・低金利
・担保・保証人が不要
・創業時から利用できる
・自己資金の要件がない

 

などが挙げられます。

また、融資を受けるための流れは、2通りあります。

 

ご自身で行う場合

ご自身で手続きを行う場合は、「新規開業資金」という融資制度を受けることになります。

 

必要書類の準備や手順などをご自身で把握しなければなりませんが、認定支援機関からのサポートは受けませんので、特別な費用はかかりません。

 

また、申し込みのハードルが比較的低いことが大きなメリットです。

 

 

認定支援機関を経由する場合

認定支援機関とは、中小企業に対して財務面での支援を行う機関です。

こちらを経由する場合は、「中小企業経営力強化資金」という制度を利用することができるようになり、基本的なメリットに加えて、

 

他制度(新規開業資金等)に比べ金利が低い

 

というように、中小企業経営力強化資金は基本的に好条件で融資を受けられます。

しかし、サポートを受ける場合は費用がかかるので、あらかじめ確認しておきましょう。

 

 

2.融資審査のポイント

融資の審査を受ける際に、重要視されるポイントは大きく分けて3つあります。

 

・実在性

その美容室(物件)が実在しているかどうかを確認します。

そのため、確認のために物件の契約書の提出を求められる場合や、物件に直接確認しに来る場合があります。

 

・信頼性

面接で話す内容と、事業計画書等(創業計画書)の提出書類に記載していることの整合性があるかどうかを確認します。

ここでは、過去の経歴や役職、資格や大会の受賞歴などで判断されます。

 

・実現可能性

今後の計画や戦略が、本当に実現可能なものかどうかを確認します。

事業計画書や市場調査、これまでの実績による売上の確認などで判断されます。

ですので、申し込みの際の書類にはしっかりと記載する必要があり、その内容の根拠として、、事業計画書(創業計画書)が必要になります。

 

 

3.必要書類と手順

では、ここから必要書類の説明とともに、融資を受けるまでの流れを解説して行きます。

 

1)問い合わせ

ご自身で行う場合

日本政策金融公庫「事業資金相談ダイヤル」へ電話をしましょう。
(TEL:0120-154-505  受付時間:平日9時〜19時まで)

日本政策金融公庫のスタッフが対応するため、親切かつ丁寧に対応をしてくれます。

申し込み前に利用しましょう。

また、ここで打ち合わせの日程を決めておきましょう。

 

 

認定支援機関を経由する場合

「認定支援機関 融資」などで検索し、電話やメールで問い合わせをしましょう。

相談までは基本的に費用がかからないので、融資全体の流れや気になる点など気軽に相談してみましょう。

 

 

2)打ち合わせ

ご自身で行う場合

打ち合わせの日時が決まりましたら、最寄りの日本政策金融公庫の支店まで足を運びましょう。

打ち合わせの段階では、事業計画書(創業計画書)を完成させる必要はありませんが、なるべく埋めるようにしておきましょう。

その際、わからない部分は担当の方へ相談してみましょう。

 

 

認定支援機関を経由する場合

認定支援機関から、後日電話やメールで、融資を受けようと考えている理由や、現在の仕事(正社員、フリーランス、経営者など)、開業への取り組み状況などの確認があり、面談を行う場合もあります。

 

 

3)必要書類の準備

□運転免許証のコピー

□印鑑(印鑑証明書と同一のもの)

□印鑑証明書

□通帳のコピー(6ヶ月分)

□過去2年間の源泉徴収票、又は確定申告書

□不動産の賃貸契約書(店舗と自宅の両方)

□公共料金の領収書等(3ヶ月分)

□設備・什器購入の見積書

□履歴事項全部証明書(法人の場合)

□不動産の登記簿謄本(担保を希望する場合)

□支払明細書(他社からの借入金がある場合、現在の借入残高、月々の支払額の記載があるもの)

□その他資産(保険や、株式投資などをしている場合、その証券や書類)

 

 

4)申し込み

ご自身で行う場合

□創業計画書

□借入申込書

 

2つともご自身で作成しましょう。

日本政策金融公庫の支店窓口へ提出か、郵送での提出もできます。

 

認定支援機関を経由する場合

□創業計画書
□借入申込書
□事業計画書

 

これらは、日本政策金融公庫のHPからダウンロードできます。

【日本政策金融公庫 書式ダウンロード】

認定支援機関のアドバイスを受けながら作成するため、正確な書類を作成することができます。
さらに、事業計画書を提出することで金利が優遇される、中小企業経営力強化資金の利用が可能となります。

また、ご自身が作成した書類の確認は認定支援機関が行い、認定支援機関から日本政策金融公庫へ提出されるので、不備などの心配もいりません。

 

 

5)面談

書類を提出した後は、融資面接の日程を調整します。

 

面接で必ず確認される項目は、

・なぜ美容室を開業したいのか
・今までのご自身の経歴・役職・資格や受賞歴
・どのような事業内容で、今後どのように展開していくのか
・他の美容室との違いを、わかりやすく差別化しているか

 

これらは創業計画書に書いた内容です。

融資担当者は、ご自身に開業に対する熱意や計画性かあるかどうかを見ています。

ですので、具体的に、理論的に説明できるようにしておきましょう。

 

また、融資担当者に良い印象を持ってもらうために、スーツを着て行くのが好ましいです。

 

※認定支援機関を経由する場合は、面接の同席をする場合もあります。

 

6)融資担当者の現地調査

美容室の開業予定地を、融資担当者が調査し、審査をします。
審査期間は、1〜2週間ほどかかります。

 

7)融資決定・契約

審査がおり融資が決定した後は、契約書類が郵送されます。

必要事項を記入し、返送しましょう。

 

記入に不備があった場合、書類が戻され再提出しなければなりませんので、郵送前にしっかりと確認をしましょう。

 

8)融資実行

契約手続きの完了後、融資金額が指定口座に振り込まれます。

また、ネットバンキングの口座では、融資を受けることができませんので、メガバンクでの口座開設を早めに行っておきましょう

 

9)返済

原則、月賦払い(毎月一定額)です。

 

まとめ

創業融資の相談から、融資実行までは、約1ヶ月かかります。

融資実行までスムーズに進めるためには、各項目を確実に行っていく必要があります。

 

また、創業融資を一度断られてしまった場合、再審査はさらに厳しくなってしまいます。

そうならないためにも、創業計画書の内容の復習や、自己資金や信用関係の部分をある程度整理しておきましょう。